戦後日本のプロ野球興隆の立役者であり、ミスタープロ野球と言われた長嶋茂雄氏が、今年の6月にお亡くなりになりました。失敗を恐れない、常にアグレッシブなプレースタイルは、多くのファンを魅了しました。いわゆる長嶋語録の一つである「失敗は成功のマザー」というのは、ご愛敬かもしれませんが、長嶋氏自身、おそらく自らの野球人生と重ね合わせ、失敗の中に次への成功をたぐり寄せる貴重な種があることを、確信していたのではないでしょうか。
さて先日、今年も地域インターンシップ報告会が開催されました。夏の間に、地元の企業、団体、自治体などで実習体験を積んだ学生たちが、それぞれの言葉でその成果を報告しました。今年も、報告を聴きながら、新しいことにチャレンジした学生たちが、さまざまな「成功」や「失敗」を体験し、自分を見つめ直しながら成長していく様子が伝わってきて、たいへん頼もしく思いました。
とりわけ、私はいつも、学生の皆さんの「失敗」の体験を、貴重な学修機会として注目しながら聴いています。失敗から素直に学び、次の成功に結びつけていく粘り強さを身につけることが、社会を生き抜く上でのポイントになると考えているからです。「失敗は成功の母」という格言があてはまるのは、けっしてプロ野球の世界に限ったことではないのです。
報告を終えた学生の皆さん、ほんとうにお疲れさまでした。皆さんの更なる成長を、大学は応援していきます。
最後に酷暑の中、インターンシップ実習生を受け入れていただき、丁寧なご指導を賜った企業、団体、自治体の皆さま方に心よりお礼申し上げます。また、毎年寄付講座として、このインターンシップの授業をご提供いただいている同窓会の皆さま方にも、厚くお礼申し上げます。地域の教育力を活かして、実践的なプログラムを提供することは、本学の教育の基本的な方針です。今後とも、ご理解とご協力を賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。