10.09.29
現代文化学部では、2年次の演習授業として「プレゼミナール」を開講しています。
プレゼミナールは、1年次のスタディスキルズと、3・4年次の演習(専門ゼミ)を繋ぐための重要な科目と位置づけ、大学生として学ぶための基礎を学習するとともに、専門領域の入り口をのぞき見ることができるような教育が展開されています。
天野宏司の担当するプレゼミナールは「動物園へ行こう」をテーマに、観光施設として、昨今話題の動物園について考えるゼミナールを展開しています。
もともと動物園は、王侯貴族が自らの支配領域に生息する珍獣・奇獣を見せびらかすための施設でした。これが市民革命により市民に開放され、市民の憩いの場、レクリエーションの場として新たな役割を持つことになります。これと同時に、動物園は王侯貴族の権力裝置から、3つの役割を意識した施設へと、様変わりしていきます。まず最初の役割は、我々が一番身近に感じられる役割で、動物を展示して、我々利用者に動物のことを教える役割です。次いで、そのために、適切な飼育方法や繁殖方法を研究する役割。最後に、動物を飼育し、遺伝子を保存する役割。以上、3つの役割に目覚めた動物園が、近代的な動物園といえるでしょう。
この数年、大人気の観光スポットへと成長した旭山動物園は、動物の展示方法を「行動展示」という、動物本来の動きや体の仕組みを直接的に見せる工夫で成功したわけです。
天野ゼミナールでは、9月23日(木)に、日本で最初の近代的動物園である、上野動物園に、これらの展示方法の工夫を見ながら、観光実務の観点で見た場合の特徴や問題点を抽出するために学外授業を実施しました。
活動的な動物の姿を見るために、動物園を訪問する際の鉄則として、開園直後・閉園直前・給餌時間が適しているといわれています。これに従い、開園時間の9:30に併せて入園しました。
近年の展示の特徴のひとつに、動物との距離を近づけ真横から展示することがあります。

このような展示方法は、動物の力に負けない強化ガラスの開発に負うところが大きいわけですが、写真の展示窓は、正門からライオンの展示に至るアプローチロードの真っ正面に据え付けられ、人目を引く工夫も同時になされています。

また、最近の傾向としては、ブロンズやFRPで作られた等身大の動物の像を園内に配置することによって、実際の動物の大きさを体感できる工夫がされることが多くなってきました。特にこの写真は、大きさだけでなく、トラの模様が、森林の中で保護色となっていることを展示するために、草むらの中にひっそりと配置してあります。
11:00には、アジアゾウへの餌やりをするということが上野動物園のHP上で公開されていましたので、この時間に立ち寄れるよう、見学コースを組み、予定通り始まった餌やりの様子を見学しました。

次の2枚の写真を見比べてください。


この写真は、同じ個体のツキノワグマを違うアングルから撮影しています。上野動物園は、武蔵野台地の縁の部分に敷地を有していますので、園内に何ヶ所か、坂があります。この高低差を利用して、熊棚を作り、樹上で眠る習性を持つツキノワグマの生態を、上からも、下からも見られるようにレイアウトされているのがわかると思います。
1日、雨で動物園見学には不向きな日でしたが、15:00からのコビトマングースの卵割りを見て、楽しんで帰ってきたようです。


今回は、9:30~15:30まで、園内の移動ルートを事前に計画し、実際にその旅程表に従って、1
日園内を行動しましたが、当然いくつかの問題点が含まれています。今後は、そのような計画と実際の食い違いや、実際に行動してみての改善点を話し合い、次の動物園での学外授業に向けた計画を策定していくことになります。