駿河台大学では海外短期語学演習制度として、世界7ヵ国8大学に学生を派遣しています。毎年、多くの学生が制度を利用して、語学力の向上と異文化での生活を体験しています。
今年度は36名の学生が夏休みの3~5週間程度、指定機関が開講する短期語学演習プログラムに参加しました。
この度、オーストリアのウィーン大学の語学プログラムに参加した学生より体験記が寄せられましたので紹介します。
外国語教育センター
様々なことを学んだ貴重な34日間
経済学部4年 沢山 貴優
海外語学演習で訪れたヨーロッパで過ごした1ヵ月間は夢のような時間でした。ヨーロッパに行くことは人生で初めての経験だったので色々と準備をしてきました。一緒に渡航する学生とスケジュールを組んだり、旅行代理店に行って綿密に話しあったりしました。4年生のため、授業もあまりなかったのでアルバイトをたくさんして、授業料と航空券以外のほとんどの費用を自分自身で貯めました。
そして、ウィーンに向けて出発しました。乗り継ぎ時間を合わせて15時間くらいかかり到着しました。飛行機はあまり得意ではなかったので、なかなか眠れずにウィーンのホテルに着いた時には体がヘトヘトでした。
翌日、ホテルから寮に向けて出発したのですが場所がわからず迷いました。トランクケースを持った人がいたので、その人についていったらようやく部屋の鍵を手に入れることができました。
語学力に自信がなかったので、大学の事務局の方に「一番下のクラスにしてください。」と言いました。実際、一番下のクラスでも先生はドイツ語なので理解するのが大変なところがありました。クラスメイトの半数が日本人だったので、あまり日本人ばかりの枠に収まるのも好きではありませんでしたので、なるべく外国人と話す努力をしました。けれども、「I don`t know」と言われることも多くありました。
良いこともありました。ローマに行く予定があったので、イタリア人の友達に「ローマでサッカーの試合を見たい。」と話したら、チケットを予約してくれました。その時は本当に嬉しかったです。その友達はパーティーにも誘ってくれて、他の外国人とも仲良くなる機会が増えました。特にイタリア人はサッカーが好きだったので、サッカーの話しで盛り上がることができました。

ヨーロッパは日本と違い、国と国とが繋がっているので、オーストリアを拠点にしてドイツ、ハンガリー、イタリアの3ヶ国に行きました。ザルツブルク、ブダペスト、ミュンヘン、フランクフルト、ケルン、マインツ、そして、ローマと色々な街を周りました。
そのなかで一番楽しみにしていたのが、サッカー観戦です。レッドブルザルツブルク、1860ミュンヘン、マインツ、ASローマ等、4試合も生で観てきました。特にマインツとヴォルフスブルクの試合は日本人選手同士の対戦だったのでテンションが上がりました。ヴォルフスブルクに所属する長谷部選手はこの試合がクラブ最後の出場だったので、生でプレーを観られたことは良かったです。私が観た全部の試合でホームチームが勝ったのも嬉しかったです。

二つ目に楽しみにしていたのが、お酒です。ドイツでは500mlの缶に入ったビールが50セントから1ユーロで飲めるので水代わりに飲むこともあるそうです。ミュンヘンに行ったときはホフブロイというビアホールで1Lの黒ビールを飲みました。大学のエクスカージョンでオッタクリンガーのビール工場へ見学に行ったときも色々なビールを飲みました。ウィーンではホイリゲというワイン酒場があったのでそこにも行きました。少し値段の高い店だったこともあり、あまり飲めなかったのですがワインは美味しかったです。
最後に楽しみにしていたのが観光です。ヨーロッパの建築は日本と全く違います。古い建物を大切にしているところが素晴らしいと感じました。ローマのコロッセオやフォロロマーノ、パラティーノを見たときは歴史を感じました。
ハプニングもありました。夜間電車を利用してケルンに行ったときのこと、ユ-レイルと現金を支払って乗車したのですが、日付ごとにスタンプを押すことを知らずに乗ってしまったため、ユーレイルを全部使い切ってしまい帰る手段が無くなってしまいました。結局、旅行代理店で3万5000円を支払い、航空券を購入したのですが、出費が痛かったです。
旅先では、日本人の方々にお世話になりました。ミュンヘンで出会った日本人の方がフランクフルト在住だったのですが、来週フランクフルトに行くことを伝えたら、家に招待してくれました。おもてなしがすごく、宿泊の面倒もみてくれました。その方とは色々なお話をすることができて為になりました。本当に感謝しています。

この語学演習を終えて得たものは『自分の主張をはっきりする』ということです。わからないことがあれば、「わからない」と言えば、教えてくれますし、「ここまでの行き方を知りたいのですが・・・」と言えば、案内もしてくれます。自分は主張することが苦手だったので言葉を濁したり、わからないままにしたりしていたのですが、今回の経験ではっきりと主張することは重要なことだと感じました。
最後に留学を考えている人に...
- 1カ月間、海外に滞在することは、会社に勤めたときに海外転勤がなければ一生に一度のことだと思います。
- 単純に海外のことに興味があるという人は行った方がより幅が広がります。
- もし行くとしたら、常に何かが起こることを想定しておいてください(例えば、クレジットカードにキャッシュ機能を付けたり、スリに遭わないように財布を首に掛けて予防に努めるなど)。
- 「学生生活の最後だから、思いっきり楽しむぞ!」という感じでもいけます(自分はその感覚に近いような感じでした)。
- 滞在先では、金銭感覚がずれるのでお金の計算はしてください(自分は生活費だけで33万円も使いました)。
- 語学に自信がなくても大丈夫です。むしろ、海外に行った方がより語学のスキルが身に着くはずです。
海外に興味がある人は是非、海外語学演習を履修してください。それを糧に自分自身のレベルアップをしてください。就職活動の際、アピールできるエピソードに出会うこともあると思うのでお勧めします。演習に参加して、得るものはあると思います。頑張ってください。