【法学部】リレー連載(Vol.3)「経済に関する法の直面している問題」(大録英一教授)09.10.13

法学部専任教員によるリレー連載、第3弾は大録英一教授です。

 ※北原仁教授による第2弾「私の憲法研究」はこちら


「経済に関する法の直面している問題」

駿河台大学法学部 大録英一

 わが国では、ポスト・バブル期を経て、徐々に社会構造が変化しつつあるように見受けられます。従来の事前調整型の業界保護の行政は終焉を迎えつつあり、今後は明確なルールが設定されたうえで、企業や個人が、個々の判断と責任に基づいて行動することが期待されます。しかしながら、明確なルールの設定が不十分のまま、規制緩和が行われ、現在、さまざまな混乱を生んでいるように思われます。例えば、今日の食品偽装の問題は、各官庁が業界保護も合わせて行うところに根本的な問題があります。消費者保護も同様です。近年、住宅リフォーム事件、キャッチセールス、マルチ商法、多重債務など、法律や情報に疎い高齢者や若者など、弱い者いじめのだましや脅しが頻発していますが、日本の消費者保護は、先進国の消費者保護と比較して、はるかに見劣りがします。
 また、失業や格差の是正、年金制度など、セーフティネットの構築が不十分なままで規制緩和や国際化が進み、大きな社会問題を生んでいます。
 市場経済は、これらのルールや安全装置が前提であり、現在、その構築が急務であると思います。

※大録教授の講義紹介が駿河台大学ニュース第132号に掲載されています。

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