どのような内容の講義が実施されたのだろうか?
北原仁研究科長は「Struggle for Legitimacy」を講義した。北原教授は、日本の歴史を通じて律令時代から第二次大戦に至るまでの法秩序形成を紹介した。まず律令制度から封建制度、そして江戸時代の武家諸法度に代表される武家社会を検討した。その後、明治維新から現行の日本国憲法へと検討が行われた。将軍や天皇について検討し、そして日本の法秩序は中国に大きな影響を受けていることも確認した。
稲正樹教授(国際基督教大学)より「日本の司法審査制」が講義された。稲教授は、第二次大戦後に、日本の司法府が法令や行政の処分が憲法に適合しているかどうかを判断する権限を憲法によって授与されているにも関わらず、その行使が消極的である点を指摘した。その原因を分析した上で、違憲審査権のあり方について、「事実としての判例の拘束力の強いこの日本において、いわば公衆に伝えられ開かれた判決の論理のつみあげによって憲法判断が形作られていく。それは「対話の資質こそが徳であるはずの法律家のあいだ」において、ペネロペの布を織り続けようとする職業裁判官たちの真摯な営みにかけてみたいという立場にたっております。」と締めくくられた。その後、北原教授と稲教授によるパネルディスカッションが行われた。
別日には、辻 雄一郎講師より、「比較法学を勉強するために」と「なぜ日本には特別裁判所が存在しないのか?」が行われた。研究者のみならず総務省からも講義が行われた。総務省公害等調整委員会事務局の田家修次長より「我が国における公害紛争処理機関及び公害要件」が講義された。日本の公害紛争のあり方は、裁判官に大きな注目を浴びるものであった。さらに、別日には、鈴木義和委員会事務局審査官が「我が国における公害紛争処理制度」を霞が関中央合同庁舎において講義された。講義には、特別コメンテーターとして長崎弁護士(西村あさひ法律事務所)も応援に来てくださったことをここに記しておく。