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大河ドラマ「真田丸」ワンポイント解説(1) 

2016/01/18その他

法学部教授 黒田基樹

 1月10日(日)に第1話が放送され、ついに今年の大河ドラマ「真田丸」がスタートしました。

 主人公は「真田信繁」です。これまで「幸村」と呼ばれてきた人にあたります。少し戦国史に馴染みのある方には、「幸村」のほうが通りがいいでしょうが、これは信繁が死んでから50年以上後の江戸時代前期に大坂で作られた物語で創作された名前です。ドラマでは、正しく「信繁」の名前でいくのですが、そこにできるだけ史実を尊重するという、制作側の姿勢が示されています。

 第1話・第2話で注目していただきたいのは、武装した百姓たちの存在です。1話のラストに登場し、2話では真田一行を襲撃します。その腰には、太刀と脇差しの大小2本の刀が指されています(全員とはいきませんでしたが)。普通、百姓は丸腰と思われていますが、それは間違いです。

 明治の廃刀令まで、百姓は江戸時代でも脇差しは指していました。これが当時の1人前の成人男子の指標だったからです。脇差しに加えて、太刀を指すことを帯刀と言って、帯刀が武士だけになるのは、戦国時代が終わってから100年後の17世紀後半のことになります。それまでは百姓も大小2本の刀を指し、ドラマでも出てきたように、弓・鑓などで武装していました。百姓に帯刀させたのは、大河ドラマでは初めてになるでしょう。

 もう一つ、襲撃する百姓について、矢沢三十郎頼幸が「みな飢えておるのです」と述べていることに気付かれたでしょうか。これは当時の百姓たちが、日常的に飢餓状態にあったことを表しています。百姓たちはしばしば自分の村を通る落ち武者を襲撃し、持ち物などを掠奪していました。このシーンはそうした状況を表現したものでした。

 「真田丸」ではこのように、当時の戦国社会の実状をできるだけ反映させていこうという姿勢をとっています。放送が終わったときに、みなさんの戦国時代のイメージがどれだけ変わることになるのか、今から楽しみです。

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