10.08.16

私は、今年の4月からドイツにあるミュンヘン大学で交換留学生として法学の勉強をしています。特にドイツ民法に関して関心があり、日本の民法と類似しているところがあり、また異なる部分もあり興味深いものであります。
今回のレポートは、(きっと法学部の学生のみが読むわけではないことを予想して)、第2次世界大戦前やその後の人々、あるいは農業をしながら生活していた人々の暮らしの風景を見ることのできる博物館を紹介したいとおもいます。
"Freilichtmuseum Glentleiten"という野外博物館で、この博物館はドイツの小学校では社会科見学としてよく利用するそうです。また私が現在住んでいるミュンヘンからかなり離れたところにあり、バイエルン地方のさらに田舎なだけあって、ドイツ語になまりがある人が多かったです。この博物館は広大な敷地のなかにさまざまな家や小屋、水車、麦の紹介があり、その時代風景がうかがえます。特に家に関しては(私のルートでは)訪れる家が段々と現代的になっていくのが面白かったです。

最初に入ったのは家でした。そこの家の部屋のベッド、窓はとても小さくて、天井も低くて、今のドイツ人を見ている私からしましたら、「この時代の人たちはこんな小さなベッドや低い天井でどうやって生活していたのだろう。」と思わず呟いてしまいました。それから数多くある家を覗いていくごとに少しずつ天井が高くなっていき、水道も家の中にあり、ベッドも大きくなり、最後に入った家は電気が通り、テレビや洗濯機さえありました。それらの過程をみて今の生活はかなり便利になっていて恵まれていることにも気付かされました。ですが、その昔の人たちの生活の知恵の道具やモノクロ写真、井戸や暖炉、そして小さくて愛らしい小窓を見て実際に触れると、その時代の暖かさを感じました。

農場や麦を収穫するための道具や機械があるところには、詳しい説明のほかに、実際に鶏やアヒルが放し飼いにされ、広範囲にわたって歩きまわっていました。それから、機織り、石切りのための水車、糸車、炭を作るところなどがありました。
半日かけて野外博物館をみて回り、特に印象に残っているのが宗教に関してでしょうか。ミュンヘンはカトリックがほとんどですが、どの民家も、農作業をするときに利用する十字架とキリストの絵が飾ってありました。どんな小さな村にも教会があり、他の教会と比べて素朴ではありながらもカトリックの歴史の重みを感じます。
もし皆さんがドイツに行くことがありましたら、ぜひ訪れてほしいとおもうところの一つです。そこの地方ならではのパンが売っていたり、ベンチに腰掛けているとリスや小さな鳥がすぐそばまで寄ってきます。きれいな青空の下で、野原に咲く野花を眺めながら、そよ風と動物たちがつけている鈴だけが鳴らす音だけが響く場所にいるのは、とても心地よいです。ときには静寂のなかで自分だけの時間を過ごすのもよいのではないのでしょうか。