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学部・研究科レポート

2017.05.12

イギリス・エセックス大学長期留学から帰国した学生にインタビューしました!

現代文化学部 村上大輔講師

 イギリス・エセックス大学長期留学から帰国した、菅野理沙さん(宮城県仙台二華高等学校出身)にインタビューしました!

―2016年の4月から2017年の2月まで留学に行っていたんですね。イギリス留学、いろんな体験されたと思いますが、どうでしたか?

 楽しかった!本当に楽しかったです。一言でまとめると、それに尽きます。それに尽きますが、本当に語りつくせないほど、楽しく充実した1年間でした。140ヶ国もの国々から学生が集まり勉強していたので、例えるならキャンパス内は世界の縮図のようでした。

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―そういうなかで、学ぶことも多かったでしょう。

 そうですね。英語ももちろん勉強しましたが、日本では学べないことを今回の留学では学んだような気がします。例えば、宗教の問題。いろんな国の人々が来ているので、宗教がとても身近でした。留学生仲間とよく「持ち寄りパーティ」(Potlatch Party)をしたのですが、サウジアラビアや中近東の人たちは、信仰の理由で食事に厳しい制限があったりします。あるとき私が、二種類のお皿別々に並べてあった春巻きを、少なくなったので、ひとつのお皿にまとめようとした時です。そうしたら「混ぜちゃだめ」と言われたのです。ひとつは、ベジタリアン用、もうひとつは肉食(豚肉)が入っているからでした。ひとつのお皿にまとめるぐらい良いのでは、と思ったのですが、そういうことって、今まで日本に住んでいて全く身近なことではなかったので、そういった他国の宗教や文化に対してもっと理解が必要だなと思いました。

―なるほど。面白いね。

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 他にもあります。LGBT(*)のことも、イギリスに来て、身近になりました。私には直接の友達はいないのですが、そういう人が街中で普通に、例えば、男同士で堂々と手をつないで楽しい様子で歩いている光景には、とてもびっくりしました。今まで色眼鏡でみていたわけではありませんが、もっと自然に、彼ら彼女らを捉えるようになったように思えます。・・・でも実は、ゲイの人に限ってイケメンだったりするので、それはちょっと残念な気持ちになります(笑)。

―確かに、ストレート(**)にとっては、まぎらわしいですね!(笑)イケメンのゲイを好きになってしまった女性は本当に大変だと思います。もちろん当のゲイの人も・・。話が脱線しそうなので(笑)、英語の話をしてください。

 日本の英語教育はアメリカ英語が中心です。アメリカのアクセントなんですね。それで留学当初は先生に「あなたの英語はとてもアメリカ英語だね」と指摘されました。また、自分が思っていた以上にアメリカ英語とイギリス英語には違いが多いと感じました。アクセントだけでなく例えば「エレベーター」のことをイギリスでは「リフト」と言ったり、言葉も異なります。留学中はなるべく周りが使っている英語を真似して徐々に私もイギリス英語を話すようになりました。駿河台大学にもイギリス人の先生が教えに来られていますが、今ではイギリス英語での会話はとても親しみやすく話しやすいと感じます。

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―大学で勉強したのだから、アカデミック・ライティング(Academic Writing)も大変だったでしょう。

 そうなんですよ。1000字程度のエッセイを書くのですが、日本語にすると3000文字に相当します。それがとても大変でした。大学院生なんかになると7~8000字とか書かせられているようなので、自分も甘えている場合ではなく、頑張りました。

―変な質問ですが、イギリス人はどうでしたか?

 直接的ではなく若干遠まわしの表現を使って、相手に気を遣うところなんかは、日本人に似ているところがあるかも、なんて思いました。あと、列もきちんと並びますし!なかには冷たい人も少なくないのですが。あ、そうそう、イギリスに到着した初日、私は35キロ近くもある荷物を運んで、電車を乗り継いでいたんですよ。日本とは違って、ちょっと地方の駅なんかにいくとエレベーターもエスカレーターもない。それで呆然と立ちすくんでいると、誰とも知らず、どこでも、いろんな人が私を助けてくれました。イギリス人って優しいな、って思いました。

―イギリスではロンドンでも、例えば、ビルのドアを開けて入るとき、すぐ後ろに別の人が近づいてくるのに気づくと、その人がドアの近くまでやってくるまで、ドアを持って待つ習慣があります。「マナー」や「他者への接し方」というのを、自ら誇りを持って、とても大事にする習慣があるんですね。僕もイギリスに住んでいましたが、そういうところは、すごいな、と思ったものです。

 先生もイギリスに留学されていたんですよね。いろいろお話を聞かせてください。

―そうですね。でも、今日は菅野さんが主役の日です(笑)。

 あと、イギリス人ってカフェで働いている人なんか、楽しそうに働いていました。歌を歌いながら、同僚と世間話しながら、楽しそうに接客しているんですね。日本だとマニュアル通りに形だけの丁寧さがあったりしますが、彼らは楽しんでいました。働いていても、自分の時間を楽しんでいるのです。それで、客である私は、決して嫌な思いはしなかったし、そういうところは、いいな、と素直に思いました。

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―それでは最後に、大学の後輩や高校生に、留学に関して、外国で勉強をすることに関して、なにかメッセージがあればお願いします。

 ぜひ留学してください!必ず人生の糧になると思います。私は留学前、海外に一度も行ったこともなければ、英語もまともに話せないまま、1人でイギリスに飛び込みましたが、行ってよかったと心の底から思います。もちろん慣れるまで大変なこともありますが、こんなに楽しい世界があったのか!と思いました。私は大学寮に住んでいましたが、そこで一緒にご飯を作って食べたりして、いろんな国々の留学生たちととても刺激的な時間を過ごしました。イギリスに本当に戻りたいです。できることならもう一度留学したいです(笑)。

―今回が留学の最後ではないかもしれませんよ!?会社に出ても、キャリアアップで留学をする人はたくさんいます。ぜひ挑戦してください。今度菅野さんに会うときには、留学に関心のある他の学生たちも呼んで、そういった話などをしましょう。

 ぜひ、お願いします。

―それでは今日は、有り難うございました。ぜひ就職活動がんばってくださいね。

 こちらこそ、有り難うございました。実はまだまだ話し足りないのですが(笑)、今度先生とお話しできる日を楽しみにしています。


【用語解説】
(*)LGBT:女性の同性愛者、男性の同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー。
(**)ストレート:異性愛の人々。身体は男性(女性)でありかつ、女性(男性)を愛する人々。

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