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学部・研究科レポート

2017.08.18

フィールドトリップIIB実施報告3 「上野を散策する」

現代文化学部 村上大輔 講師

 前回の私が担当するフィールドトリップ(明治神宮と渋谷界隈)では、トラディション(伝統)とモダン(現代性)がキーワードでした。
 今回のトリップの行き先は上野です。キーワードは「コスモス」と「カオス」とでもいいましょうか。上野公園は緑が豊かで寺社が多いことから、なんとなく落ち着いた雰囲気が漂っています。その雰囲気に呼応するかのように美術館や博物館が林立し、一種の文化テーマパークの様相を呈しています。その一方、公園の南側に広がる「アメ横」では、中国などアジア大陸の活気そのままが体験できる賑やかな市場(いちば)が広がっています。
 今回のトリップは、これら空気の異なる二つの空間を横断し、東京の都市空間の特徴のひとつである「コスモス」(秩序)と「カオス」(混沌・無秩序)をみなさんに味わってもらうことにしました。

 さて、学生たちはなにを感じたのでしょう。


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寛永寺

 上野公園では、寛永寺に行きました。寛永寺は平安京の鬼門を守った比叡山の延暦寺と重なるということで、東の比叡山を意味する東叡山という山号を持っています。
 先生の話によると、この寛永寺は北東の方角から邪気や災いが流れてくるのを防いでおり、一方、邪気の通り道とされる南西・裏鬼門には、増上寺というお寺があるそうです。東京には寛永寺・増上寺・そして浅草寺の3つ有名なお寺があり、このような東京の邪気の話などを外国人観光客に話すと、日本の伝統文化に興味をもってくれるのかもしれないと思いました。(現代文化学部 2年 男子)

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アメ横にて

 なぜ、アメ横を外国人の皆さんにおすすめするかというと、様々なものが安いというのと、魚屋さんなどの日本特有のお刺身などが手軽に食べられるからです。
 まず一つ目に、様々なものが安い点です。アメ横は、衣類、お菓子、お魚と様々なものが、卸売りのような感じになっていてとても安く、雰囲気も楽しく賑やかな感じがあり、海外の方々が来た時に、すごくワクワクすると思いました。魚屋さんなどが売り込みをしている姿、雰囲気は、日本のお正月のように賑わいがあると感じました。
 また、スポーツショップも豊富にあり、激戦区のようになっていてここもまた、商品がものすごく安く、購入しなくてもその雰囲気だけでも楽しいと感じました。(現代文化学部 2年 男子)

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アメ横にて

 なんといっても上野といえばアメ横でしょう。アメ横とは、非常にたくさんのお店と人で溢れている商店街です。アメ横では、食べ物、スポーツ用品店、洋服など品揃えが豊富なお店ばかりです。アイスクリームだったり、ケバブだったりと食べ歩きながら商店街を楽しむことができます。そして私が美味しそうだなと思ったのがケバブ屋さんです。しかし、店員さんが外国の方で、ちょっと強引にケバブを買わせようとしてくることもあるので、そこは気を付けたほうがいいかと思います。...アメ横は値切りが効きやすいということも楽しみの一つです。値切れば多くの場合、値段が下がります。さらに、場合によっては、店員が自発的に値切ってくるのでとても面白いと思います。...そして、さらに進んでいくと、地下の外国の商店街に着きました。とても奇妙な匂いがして吐き気がしました...(現代文化学部 3年 男子)

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美味しかった本場の中華料理


 今回のトリップの最後に、先生と参加学生のみんなでアメ横の中華料理屋に行きました。ここの店は中国人だけしか働いておらず、先生が中国語で喋っていたので喋れる方がいないと厳しいなと感じました。しかし、ここで食べた中華料理は、ほとんど初めて食べるものだったにも関わらず、(最初は抵抗したけれど)食べてみると非常に美味しかったのでびっくりしました。ホンモノの中華料理を食べて少し中国の料理に興味を持ちました。(現代文化学部 2年 男子)


 外国の料理を食べることは楽しい異文化体験のひとつです。そして、さらにいうと、「匂い」というのも文化なのです。「吐き気」という言葉を書いている学生もいましたが、その体験も、みなさんの生活文化のなかでは味わえないから、つまりは慣れていないから臭いと感じたのかもしれません。臭いものは臭いものですが、そのみなさんの感じ方は普遍的なものではないのかもしれないのです。現に、学生たちを市場(いちば)に連れて行ったとき、私は「懐かしい」と思っていました。私が大陸アジアに長年住んでいたからでしょう。皆さんも世界中のいろいろな匂いと味を体験してほしいと思います。

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